背景
総務省がe-Statというサイト市場データを公開しており、
分析技術向上と市場感を養うことを目的に定期的に可視化と簡単な考察を行なっていこうと思います。
3回目となる今回は「特定サービス産業実態調査」について見ていこうと思います。
そして知らなかったのですが総務省の実施した調査においては、
調査の概要として目的・結果などをまとめてくれているようです。
今後はそれらも見つつ分析と考察を行っていければと思います。
特定サービス産業実態調査について
調査の概要から抜粋
目的
「特定サービス産業実態調査は、サービス産業の実態を明らかにし、サービス産業に関する施策の基礎資料を得ることを目的としている。」
調査概要
- 地域:全国
- 単位:事業所(一部業種は企業)
- 属性:平成24年経済センサス-活動調査において、28種類日本標準産業分類(平成21年総務省告示第175号)の小分類に格付けされた事業所(一部業種は企業)が対象。
- 調査対象数:約47,000
- 回収率:約81.7%(30年調査の確報結果による
- オンライン提出率:約10% ※平成30年調査時
抽出方法・調査方法
- 選定:無作為抽出
- 抽出方法:平成24年経済センサス-活動調査によって把握された事業所を母集団として、標本理論に基づき業種別、事業従事者規模別、都道府県別に層化抽出している。ただし、「事務用機械器具賃貸業」などの7業種については、母集団数が小規模なため全数調査としている。
- 調査経路
- 郵送調査方式:経済産業省 → 民間事業者 → 調査対象事業所(一部業種は企業)
- 一括調査方式:経済産業省 → 民間事業者 → 一括調査対象企業(経済産業大臣が指定するもの)
- 配布方法:郵送
- 収集方法:郵送、オンライン
今回利用したデータ
データ量が多く他の業種のデータを取ろうとすると列が違っていたりしていたため、 「情報処理・提供サービス業」のデータに絞って利用しました。
可視化と考察
「特定サービス産業実態調査」に含まれるデータ
「ディメンション」
区分はディメンション毎に数値が出されていたので、
区分を複合的に組み合わせた数値出しはできない状態でした。
(例えば「経営組織が**で資本金規模が**である事業所数」といった出し方はできません。)
- 区分(経営組織別/資本金規模別/事業従事者規模別/情報処理・提供サービス業務の事業者規模別/専業割合別/単独事業者、本社、支社別/年間売上高規模)
- 項目(「情報処理・提供サービス業」における細かい区分)
- 調査年(2015 or 2017)
「メジャー」
- 事業所数
- 売上高
全体概要
「工業統計調査」においては「事業所数が減少しつつ、売上が上がっている」という傾向でしたが、
「情報処理・提供サービス業」においては「事業所数が増加しつつ、売上も上がっている」という傾向でした。
増加割合としては売上側の方が大きく事業あたりの売上も上がっていそうです。
増加している事業者としては以下のグループが目立っています
- 10~29人規模の事業所
- 単独事務所
- 年間売上 1~100億円の間
売上については規模(人数・資本金・売上)が大きいほど影響が大きいので概要のみで変化の比較は難しいですが、
規模と直接的関係のない「単独事業者、本社、支社別」においては事業者数と形が違うのが少し気になりました。
概要として本社の方が売上を大きくあげていることが言えそうです。
(一部詳細なデータが不詳となっている箇所があり、合計値が少ない箇所があります)

項目別合計従業員数・売上

※丸が2017年、バツが2015年のデータになります
事実
- 情報処理サービスは事業所数は減少しているが、売上高は微増しており事業所あたりの売上が増加している
- データベース関連は事業所数が増えているが、売上高は減少している
- システム等管理運営受託は傾きが一番大きく、事業所あたりの売上が増加している
考察
合計の売上がある程度全国のニーズと対応していると考えると、 数値が上がっていないデータベース関連の事業はニーズが減ってきていると言えそうです。 データベース関連が下がってきている理由としては、 完全な推測ですが比較的扱いやすいクラウドのDB(Redshift・BQなど)が流行ってきたことが影響していると考えています。 Redshift検索数推移や bigquery検索数推移を見る限り、 2015年あたりにすでに影響が出ていてもおかしくないと思っています。 蛇足ですが検索数推移を見るとRedshiftが2018年ごろに頭打ちになりつつあるのに対し、 Bigqueryは検索数が伸びておりBigqueryの勢いが伺えます。
項目別区分別1事業所あたりの売上

※規模と直接的関係のない「専業割合別」「単独事業者、本社、支社別」の二つのみを載せています
事実
- 基本的にシステム等管理運営受託は大きい数値となっていた
- 「専業割合の低いデータベースサービス_インターネットによるもの」と「データベースサービス_インターネットによるものの本社」は数値が高かった
- いずれにおいても本社が比較的高い数値をとっていた
考察
専業割合については総務省のサイトを調べても詳細な説明が見つけられず、 細かい定義やなぜこの項目をとっているのかについてはわかりませんでした。 「単独事業者、本社、支社別」においてはマクロで見たときと同じく、 項目別の事業所あたりの数値でも本社が高いという結果でした。
項目別1従業員あたりの売上
「従業者規模別」においては範囲中央値を従業員数と仮定することで、 従業員あたりの数値が算出しました。(500人以上は中央値がないため省いています)

※注意:「従業者規模別」の範囲内中央値から大雑把に算出しており、実態とずれている可能性があるのでご了承ください。
事実
- いづれの項目においても4人以下の事業所は高い数値だった
- 1従業員あたりだと「情報処理サービス」「システム等管理運営受託」が高い数値をとっていた
考察
従業員あたりの売上でいうと4人以下(おそらくベンチャーやスタートアップ?)か、 「情報処理サービス」「システム等管理運営受託」が高い数値をとっていました。 ただ前者については4人以下で調査対象に選ばれている時点で何かバイアスがかかっている可能性があり、 今回の結果は参考値程度に捉えた方が良い気がします。
感想
今回は自分たちが近いと思われる特定サービス内の「情報処理・提供サービス業」について見てみました。
本当は「情報処理・提供サービス業」以外のデータについても横並びで見たかったのですが、
項目ごとのデータが見つけられなかったり項目によってデータの形が違っていたので断念しました。
apiのパラメーターでいろいろ条件を絞ったりができそうなので、
今後そういったところも勉強していければと思います。
データから出てきた結果でいうと特に最後の「従業員あたりの売上は4人以下が高い」という結果は夢がある話だと思いました。
なお僕らのでいうと「従業員2人・情報処理サービス」に当たると思われるので、
事業所当たり年間196百万円(約2億)の売上規模がある場所に当たりそうです。
今のところ総務省からアンケートのお願いはきていませんが、
もし来たとしても該当グループの売上数値向上に貢献できるよう日々尽力したいと思いました。
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